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不動産登記/旧法当時の相続/嫡母庶子 2012/08/11

不動産登記/旧法当時の相続/嫡母庶子

[相談]

 兄が平成24年に死亡しましたが、兄は一生独身で妻子がなく、両親ともにすでに他界しておりますので、相続人は弟である私しかいません。

 相続の手続で両親の幼少時代の戸籍を取得したところ、父の戸籍に「嫡母」という続柄の女性の名前があり、その人は兄の戸籍では「祖母」となっておりました。

 父の「母」の欄には別の名前がありましたが、「嫡母」とはどういう関係になるのでしょうか。今回の相続手続きとは何か関係あるのでしょうか。


[回答]

 父の戸籍に「嫡母」と記載された女性は、今回の相続とは無関係です。

 「嫡母」とは、旧民法にあった制度です。

 旧民法では父が認知した嫡出でない子を父からみて「庶子」といいました(旧民法827条2項)。庶子が父の戸籍に入り、同じ戸籍に父の妻(庶子の実母ではない者)がいるときには、その妻は庶子の「嫡母」となり、嫡母と庶子は親子と同一の親族関係が生じました(旧民法827条2項、728条)。

 よって、「嫡母」は父の子(今回の被相続人)からみると「祖母」にあたりましたが、この制度は、「日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律」(昭和22年5月3日施行)によって廃止され、嫡母庶子の関係も消滅しました。

 被相続人は平成24年(新民法になってから)死亡しておりますので、旧民法の法律関係は適用されず、今回の相続とは無関係ということになります。

 

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