下請法(総論)
Q1
「下請法」という言葉を最近よく聞きます。下請法とはどんな法律ですか?
A1
下請法は、正式には「下請代金支払遅延等防止法」といい、親事業者の下請事業者に対する取引上の優越的地位の濫用行為を取り締まるために制定された法律のことです。
下請法では、取引の公正化及び下請事業者の利益保護のために(下請法第1条)、一定の要件を満たした発注書面の交付義務や、下請事業者に責任がない下請代金の減額禁止などを定めています。
Q2
どのような場合に下請法が適用されるのですか?
A2
下請法が適用される下請取引とは、@取引当事者の資本金(出資金)の規模と、A取引の内容、の2つの視点から決まります(下請法第2条第1項〜第8項)。具体的には下記のケースを参照下さい。
(ケース1) @取引の内容 @ 物品の製造・加工委託 A 物品の修理委託 B プログラムの作成に係る情報成果物の作成委託 C 運送、物品の倉庫における保管及び情報処理に係る役務提供委託
A資本金の規模 親事業者:3億円超の法人事業者 → 下請事業者:3億円以下の法人・個人事業者 親事業者:1千万円超の法人事業者 → 下請事業者:1千万円以下の法人・個人事業者
(ケース2) @取引の内容 @ 情報成果物(プログラムを除く)の作成委託 A 役務(運送、物品の倉庫における保管及び情報処理を除く)の提供委託
A資本金の規模 親事業者:5千万円超の法人事業者 → 下請事業者:5千万円以下の法人・個人事業者 親事業者:1千万円超の法人事業者 → 下請事業者:1千万円以下の法人・個人事業者
Q3 下請法以外に、このような規制をしている法律はありますか?
A3
たとえば、建物の建設工事請負契約は下請法の対象外とされていますが、建設業法に同趣旨の規制が定められています。また、独占禁止法において不公正な取引方法として優越的地位の濫用行為を規制しています。特に近年、このような不公正な取引に関する取り締まりが強化されている傾向がみられます。 |