不動産登記/成年後見人との利益相反
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昨年の冬、父が亡くなり、相続人は母と一人息子である私の二人です。母は 認知症が進行してしまい、先日成年後見人となる手続きを行い、私が成年後見 人となりました。
今般亡父の遺産分割協議を行うにあたり、気をつける点はありますか。なお、 協議内容は自宅土地建物等すべて母のものとする予定です。 ----------------------------------------------------------------------
[回答]
特別代理人の選任手続きが必要です。
成年被後見人とその法定代理人である成年後見人が参加する遺産分割協議は、 双方の利害が対立する利益相反行為とされ、遺産分割協議を行うことができま せん。たとえ遺産分割協議内容が、今回のケースのようにお母様に有利である 場合であっても、結論は変わりません。
よって、成年被後見人であるお母様について裁判所にて特別代理人の選任手 続きを経た後、お母様の特別代理人とご子息であるあなたとで遺産分割協議を 行う必要があります。なお、成年後見監督人が選任されている場合は、成年後 見監督人がお母様の代理人となりますので、特別代理人の手続きは不要です。
また、特別代理人選任の申立ては、成年被後見人であるお母様の住所地の管 轄家庭裁判所に行うことになります。財産のある所在地の家庭裁判所ではない のでご注意ください。
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