千葉県船橋市の税理士 山田会計事務所/山田洋子税理士事務所。起業支援、自計化支援、ブログ配信、弥生会計導入支援など!千葉市、市川市など対応!
新着税務情報
役員給与の期中減額 2012/05/18

 税務上、損金として認められる役員給与は限定されています。例えば毎月支給される役員給与は、原則としてその事業年度中は同額であることが条件とされています(法法34@一)。しかし、定時株主総会による役員給与の改定や、代表取締役社長から非常勤の相談役へ退いたことによる役員給与の改定、法人の経営状況が著しく悪化したことなど業績悪化改定事由により役員給与が減額改定された場合など、一定の条件に該当する場合には、その事業年度中に役員給与が同額でなくとも認められる場合もあります(法令69@)。

◎業績悪化改定事由
 昨年の東日本大震災やタイの大洪水などの大災害により、実際に業績が悪化している事業者も多いことと思います。この場合、どの程度業績が悪化したら、先の「業績悪化改定事由」に該当するのか、判断に迷うことも少なくありません。税務上は「経営状況が著しく悪化した」と規定されていることから、相当程度悪化=倒産の危機に瀕しなければ認められないのでは、という考え方をされる方もいらっしゃいますが、相当程度の悪化がなくとも、例えば経営状況の悪化により、第三者である株主や債権者、取引先などの利害関係者との関係上、役員給与を減額せざるを得ない事情があれば、これも業績悪化改定事由に該当します。

◎実際に悪化していなくとも認められるケース
 また、実際に悪化していなくとも、客観的な事情からこのままでは先々著しく悪化してしまうことが認められる状況にあれば、これも業績悪化改定事由に該当します。この場合の客観的な事情とは、例えば次のようなケースが考えられます。
・主要な取引先が手形の不渡りを出したため、売上が激減することは避けられない
・主力製品に瑕疵があることが判明して、今後多額の損害賠償金やリコール費用の支出が避けられない

 ただし、このような客観的な事情があったとしても、数値として計画立てていなければ、どの程度悪化するのかが税務署を含めた第三者にはわかりません。日頃の経理をしっかりと行い、計画立てていれば状況把握もしやすく、第三者への説明もしやすいでしょう。
 そのためにも、役員給与を減額する場合には、必ず客観的な事情としてどのような状況にあったのか、役員給与を減額しなければどのように悪化してしまうのか、悪化を避けるためにどのように計画したのか、など数値として具体化しておく必要があるといえます。


参考:国税庁HP「役員給与に関するQ&A」
   http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/qa.pdf

新着税務情報
税務情報バックナンバー