[相談]
個人事業を営んでいましたが、平成24年5月20日に法人成り(資本金800万円)し、4月末日決算法人とした場合、2期目の消費税の納税義務の判定の際、特定期間の売上高及び給与支払額はいつからいつまでの分を集計することになりますか?
ちなみに、平成24年5月19日までを個人事業の売り上げとし、5月20日より法人として営業開始予定です。給与は、25日締めの当月末日払いです。
[回答]
事業者は、国内において行った課税資産の譲渡等につき、消費税を納める義務があります。ただし、納税額の算定にあたり所定の計算が必要になるため、事務負担配慮の観点から、一定の小規模事業者について、納付義務が免除されています。
具体的には、事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が1,000万円以下である者について、消費税を納める義務が免除されています(消法9)。
基準期間とは、一般的にその課税期間の2期前の事業年度をいいます。従って新設法人については設立当初2年間は、基準期間がないため納税義務が免除されていました。(資本金の額が1,000万円以上である法人を除く(消法12の2))
これに対し、法人を新規設立し、納税義務が発生する前に解散させるという免税点制度を利用した租税回避行為等が散見されましたので、新たに特定期間という考え方が導入されました。
その事業年度の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、その事業年度に係る特定期間における課税売上高が1,000万円を超えるときは、納税義務が免除されないというものです(消法9の2)。この改正は平成25年1月1日以降開始する事業年度から適用されます。
特定期間とは、一般的に前事業年度開始の日から6か月間をいいます。貴法人は24年5月20日設立ですので5月20日から11月19日ということになりますが、決算期日が末日のため、11月19日の前月末である10月31日までが特定期間となります(消令20の6)。
なお特定期間の課税判定にあたり、売上高に代えて、その期間に支払った所得税法に規定する支払明細書に記載すべき給与等によることも可能です。貴法人においては事業年度開始の日から10月25日締め10月末日支払の分までが該当します。